Aug 25, 2012

GO TO 老舗!船橋屋 亀戸天神本店

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文豪たちも愛した一年がかりの“くず餅”

Photo & Text: mori_boy

味はもちろん、葛や寒天などを用いた涼しげな見た 目も楽しめる夏の和菓子。洋菓子ではなかなか味わ うことのできない涼しげで趣ある雰囲気に、甘味好きの中でも、夏はとりわけ楽しみにしているという方は多いのではないだろうか。

そんな気持ちに応えるべく、今回訪れたのは『船橋屋 亀戸天神本店』。夏の和菓子の筆頭ともいえる、「くず餅」で名をはせる老舗だ。創業は1805年(江戸文化二年)、十一代将軍徳川家斉の頃と置き換えると、いっそう歩んできた歴史を感じさせる。

 

相も変わらず、晴天に恵まれた探訪当日。まもなく開業を迎える(※取材当時)東京スカイツリーを左 に見据え、亀戸駅から明治通りを10分あまり。藤 まつりの余韻を残す亀戸天神のすぐ先に現れた “元祖くず餅” の文字。見間違えることもない『船橋屋亀戸天神本店』である。

大通り沿いにも関わらず、歴史を感じさせるしっかりと庭を備えた一軒家の店舗には、「お持ち帰り」「お召し上がり」の札に沿って並ぶ人の列。気持ちお年を召した方が多いものの、ほぼ老若男女問わず愛されているところに歴史だけではない魅力を感じさせる。

 

さっそく、筆者もお召し上がりの列に並び店内へ。 昔ながらの雰囲気を漂わせる空間で強い存在感を 放っているケヤキの看板は、文豪 吉川英治が記した船橋屋の顔ともいえる存在とのこと。芥川龍之介や永井荷風も店に足を運んでいたというから驚きである。

そんな話から文豪たちに思いをはせていると、さっそく「元祖くず餅(530 円)」が到着。たっぷりのきな粉と惜しみなくかけ回された黒みつが実に食欲を誘う。製造に 1 年かかるといわれるくず餅は、口にするとなんとも柔らかく、あっという間に完食してしまった。

注ぎ足してくれたお茶を飲みつつ、店内を見回して みると、老夫婦から小さな娘とお父さんの組み合わ せ、お一人様の女性など、それぞれが好みの甘味を楽しんでいる。誰もが幸せそうな表情で、これこそ“人が集まる甘味処” という空気だった。

余韻をしばし楽しんだ後、お土産用に購入したくず餅とあんみつを受け取り外に出ると、ちょうどスカイツリーが目に入った。ソラマチへの出店も決まっている『船橋屋』。今号が発刊される頃には、新しい“街”に風格と彩を加えているのだろうと思いつつ、店を後にしたのだった。

船橋屋 亀戸天神本店
東京都江東区亀戸 3-2-14
営業時間 9:00~18:00 / お召上がり 9:00~17:00

Photo & Text: mori_boy

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